いろんなサイトさんで

なんでルルが世界のために死ななきゃいけなかったのか分からないって感想をよく見るんですが。

大分落ち着いてきたので考えてみたんですが、ルルはやっぱり死にたくなかったんじゃないかなあって、思うんですよね。
スザクとやっと分かり合えたし、ナナリーの目も見えるようになって。大事だったものは元通り、とまでは行かないけれど、望む方向にやっと向いてきたところで、生きたくなかった筈が無いんですよね。
ゼロ・レクイエムを途中で止める事だってできた筈なんですよね。


なら、なんでルルが死を選んだのかって言ったら、多分、許せなかったからなんだと思います。
ルルは決して世界のために身を捧げるなんて、自己犠牲の精神であれを起こしたのではなくて、数え切れないほどの人にギ/アスをかけて、或いは殺し、或いは意思を捻じ曲げて人生を歪めた自分だけが生きていくということが許せなかったんじゃないかなって。

例えば生きて名君になって、ブリタニアを平和にしたところでそれは局所的なものにしかならない。やっぱり人間って慣れる生き物だから、一度全世界を叩き落して、それから与えられた平和でないとその有り難味を理解することってできないんだと思うんです。
全世界が、一度、シャルルが皇帝だった時植民地の人たちが味わった思いを共有しなければ、世界はあんな風に纏まらなかった。それをルルは理解していて、だからこそ独裁者になった。
半端な平和では殺してきたユフィを初めとするいろんな人の命が、精神が浮かばれないと、そんな半端な世界では踏み躙ってきた人々に顔向けできないと思ったから。

彼は決して世界のため、という精神で動いていたわけではないと思うんです。そんな博愛主義の子じゃないから。
彼が『何かのために』動いたのだとしたら世界なんて漠然としたものが対象なんじゃなくて、自分の高潔であり信念であり、守りたい人の夢を守りたいという自分の願いのためであったんだと思います。
誰のためでもない、自分のためにやったんだと思います。

そして、最期に悟ったんじゃないかな。そういったエゴに塗れた願いで、幸せって出来てるんだって。
大切な人に幸せになって欲しいって、立派なエゴだもの。


スザクに関しては結構前に自分で考えて、納得して記事も書けたんですが、ルルに関してはほんと、ずうっと考えてても分からなかったのだけど、今日ちょっとした切欠でこうなんじゃないかなって自分で結論がつけられました。シツ様の「人々にギ/アスを掛けた代償として」って言葉とも結びつくなって。
最期まで、独りよがりだったねルル。スザクさんの、ナナリーの、遺された人の気持ちを押しのけてでも、自分の意思を貫くことを選んだ。
でも、そんなルルだから好きで、大好きで、好きで良かったって思える。


願いは呪い。呪いは願い。
スザクに生きて欲しいと願ったルルが掛けた呪いはずっと呪いのままだった。でもきっと、スザクはその呪いを願いに変えていける子なんだろうなって、思ってます。


ああ、また泣けてきた…自分の考察で泣いてりゃ世話ないですね。
納得が行ったら余計、一段とあの子達が愛しくなりました。だいすき。
そんな思いを抱きつつ、自分なりにあの子達を幸せにしてあげようかなって、思いながら指を走らせる日々です。

だってさ。もし世界を中途半端に平和にすることが許せないから死を選んだんだとしたら、中途半端でない平和を手にすることが出来たらルルは死ななくたって良いってことじゃない。
世間的に抹殺されても、命は繋いでいるって。どこかでひっそりと生きていて、本当に大切な、好きな人だけが其れを知っていて。隣にはスザクが居て、ナナリーもひっそり会いに行ったりなんかして。
そんな未来があったって良いじゃない。
壮大な、存在を賭した二人舞台にスザクとルルーシュは立って、世間をペテンに掛けて。そして、世界は平和になって、二人は小さな幸せの中で生きるの。
それでも良いじゃない。だって二人とも世界を裏切り続けて、世界に嘘をつき続けてきたんだから。最後まで嘘だったんだって、それでも。
私の中でのギ/アスのその後は、そんな感じ。


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